色気と勃起

 斉藤アキは高校の同級生で一番中の良い女子。いつもジーパンにオールスターで化粧っ気がない。そんなアキが今なぜか僕の下半身を弄っていて、僕は彼女を男友達と同列に並べていたにも係わらずこれでもかってくらい勃起していた。つーか斉藤の触り方がえろい。
 「ねー食べていい?」斉藤アキの言い方が全く色気がなく、あんまり普通だったから一瞬なんのことか分かんなかった。嘘。食べていいと聞いたくせに手はもうガチャガチャと僕のベルトを外していた。あぁ俺脱がされてる……とか他人事のように思っていたら、なんか変な柄のトランクスごとジーパンを下ろされ僕はあっという間に斉藤アキの口の中。あぁだめだ斉藤マジ上手いわ。
 亀頭やら裏筋やら根元やらまぁもう全体的にも局所的にも攻められまくって、あぁもう俺だめだと思った瞬間、焦らすようにアキの手が止まり唇が離れる。一瞬のおあずけ。間髪入れず再度つつつと舌を這わされた瞬間、我慢し切れず射精。斉藤アキの白い肌にもっと白い僕の精子が。それでも斉藤アキは全然色気が無くて、それはやっぱりこの童顔の所為だなぁと思った。
 斉藤アキはぺろりと赤い舌を伸ばして口元の精子を掬う。それ見て僕はやっぱりなぜか勃起した。
 
 今度は挿れたいと斉藤アキを押し倒したところで目が覚めた。男友達のような存在のアキに対して性的な夢を見たことが、自己嫌悪を増幅させてとても目覚めが良いものではなかった。当然微妙に欲求不満。夢精でもしていたらちょっとはすっきりしていたのかもしれない。
 憂鬱な複雑な気分のまま学校へ行くと斉藤アキがいた。イスの上に胡坐。クラスの誰かが持ってきたジャンプを読みながらにやにや笑っている。色気はない。色気は無いのに朝の夢を突然思い出して勃起。慌てて席に座って自己嫌悪。机に突っ伏しても脳裏のアキは消えず勃起も止まず。作戦変更。後ろの席のアキに向き直り「昨日お前にフェラチオされそうになってさ、もうなにすんだよって蹴飛ばしてやったよははは!」と冗談っぽく言ってやったら「はぁ?ばっかじゃないの」と一蹴。捨て身のネタ振りは見事に空振り、脳裏のアキはひたすら僕を攻め続け、勃起は当分治まりそうになかった。