いいじゃないか

 毎晩君からのメール待ち続ける僕とラジオから声がする。モニタの明かりが目に痛い。僕は少し目をつぶるとすぐにも寝てしまいそうだから、ほんの少しだけ目をつぶる。つぶるだったかつむるだったか気になりブラウザを起動させる。まだ仕事してるのかなとラジオ。白いモニタから目を離し、僕は鞄に仕舞った携帯を探す。1時半。とっくに電車はない。席を立ちところどころ電気の消えた事務所を歩き喫煙コーナへ移動。今日は仕事で帰れませんという内容の文章をぽちぽち打つ。僕は文章を考えるのが苦手でこれだけの文章を考えるのさえ億劫になる。彼女へのメールを打ちながらそんなことを考えている自分に気付きがっかりする。でも仕方ない。これまでずっとそうやってきたから。メールを送信する。彼女はもう寝ているだろうか。煙草を吸いおわる前に睡魔が襲う。睡魔というか単なる疲労かもしれない。僕の身体を心配する彼女からのメールが重く感じる。仕事で帰れませんなんてメールを送るんじゃなかったと後悔する。携帯は点滅しない。席に戻り眩しいモニタには制作途中のデータ。座りなおしてキーボードに手を伸ばした瞬間、鞄の中で音。7回の振動で彼女からだと分かる。僕はわざと一作業してからメールを読む。冷蔵庫に栄養ドリンクが入ってるからと彼女は言う。さっき飲みましたと独り言。キャッチーなメロディが繰り替えされ曲が終わる。アジカンの新曲か。僕は家に帰ってもう一本栄養ドリンクを飲むため作業に戻る。