歓声

 背後で歓声が聞こえる。これは空耳かもしれないし、振り返るとスタジアムなのかもしれない。壺の中は干菓子が入っているのか或いは骨なのか僕には断言することはできないと秋彦さんが言っていた。僕は関口くんと同じように眩暈がしたし、壺に恐怖した。きっと振り返ればそこは大観衆のスタジアムで僕はゴールを決めなければならない使命に追われる。振り返りたくはないのだけれど、鳴り止まない歓声に耳が魅入られ目が誘われいつも僕は負けてしまう。