懐妊出産

 突然産まれたわたしの子どもは、十分わたしの生活を侵していった。今までインターネットをしながら紅茶を飲んで過ごしたわたしの深夜は見事に無くなり代わりに、食器と洋服の洗い物と食事の用意が今までの3倍ほどに膨れ上がった。我侭に振舞う子どもを見てこれは虐待に走る親がいてもおかしくないなと思ったし、むにゃむにゃと寝言を言う子どもを見て愛おしいなと思った。そんな生活が数日続く。ある日、子どもがいなくなりわたしは元のインターネットをしながら紅茶を飲む生活に戻る。夢から醒めて母親は大変だなぁとしみじみ思う。