携帯のお天気アイコンが雪マークを示しており、朝からぎょっとする。布団に包まったままカーテンを少しずらして外を見ると、向かいの駐車場が白く染まっており空には雪が舞っていた。
 時計の針は8時50分。幾らなんでもそろそろ起きないと学校に遅刻してしまう。ポットでお湯を沸かしながら洗面所へ向かう。寝癖がほとんど付いていないので、さっとブラシで梳かしワックスをつける。突然、しゅうんと情けない音を立てて部屋中の電気が消えた。これはブレーカが落ちたというやつ?まさか!ポットとコンポくらいしか電気つかってないのに?朝とはいえ、ベランダから遠く離れた洗面所や玄関までは光が入らず暗い。仕方なく夏フェス用のペンライトと、小さな白い脚立を運びブレーカを確認する。しかしブレーカはすべて通常の位置におり、なぜだか分からぬまま暗闇の中、仕度を続けた。5分ほどで電気が突然点き、建物全体の電気が落ちていたのだと気付く。
 地下鉄は40分の遅れを経て漸く動き出したようで、タイミングが良かったのか悪かったのかいつも通りの時間で満員電車の中、学校へ向かう。
 梅田はやはり粉雪が舞っており、さすがに寒い。透明ガサを持つ手が凍傷なりそうなくらいの寒さで、下半身は雪塗れ。学校に着いた頃には雪だるまになってるんじゃないかと思い一人笑う。寒さの中、久々の粉雪を間近で見て綺麗だなぁと少し呆ける。すぐに寒さが現実へ引き戻してくれる。